第44話 昭和男の冗談 
 
 

 神戸市立森林植物園は、初夏のあじさいと秋の紅葉シーズンに三宮からバスの増便に加え臨時便が出るほど多くの人で賑わう。

7月中旬あじさいシーズンが終わるころ、連休中日でかなり込み合うだろうと期待していたが、夏日が続き暑かったためか予想の半分程度だった。

森林植物園行の列であることを案内しながら整列をお願いしていた。60代と見られるご夫婦の男性から、「あじさいは、まだ咲いていますか?」と質問があった。
続いて、その男性が奥さんを指さしながら「こいつは、とっくに咲き終わっているンですがね」と。
 
周りはシーンとなり、私も整列をお願いしながら遠ざかった。こんな冗談が人を笑わせると思っている昭和男が居ることにあきれてしまった。ひと前で言うなら、もっと気の利いたジョークにしてもらいたいものだ。
 
このような質問はよくあるので「機嫌が良ければ咲いていると思いますよ」と受けているのだが、この時はでなかった。残念。