２月の三連休は寒かった。この時期はバスから降りてくる人に忘れ物が多い。スマホはまだしも、車体横にいれたキャリーバッグを忘れる人もいる。

 

私は時間の許す範囲で到着したバスに行って「忘れ物にご注意ください！」と声掛けをしている。ある時、遠距離バスから降りてきた若いカップルの男性が、「神戸に着いたぞ」と隣の女性に声を掛けた。すると女性が「わぁ！神戸やぁ！」と心から喜びの声を出した。

 

「お疲れ様でした、忘れ物はないですか」といいつつ、次々と降りてくる人たちを見終えて、後ろを向くと先ほどのカップルが案内地図を見ていた。

 

早速近づいて聞くと、特に行先を決めていないと言う。昼前だったので、センター街を歩いて突き当りを左へ、大丸の右隣に中華街の南京町があることを説明し、そのあと、海の方へ少し歩けばメリケンパークがありますよ。と地図を渡しながら、インスタ映えする所まで言うと喜んで、手を取り合って歩き始めた。

 

神戸の土地に降り立っただけで、心からの喜びを叫んでくれたこの若者に乾杯！