第22話 ありがとうの神戸弁 
 
元気な都会風の40代と見られるご夫婦が、「2時間ほど時間が出来てので、どこかお勧めの所がありますか?」と近寄って来られた。
 
ご夫婦と書いたが、長年の経験から「ご夫婦」か「そうでないカップルか」は、ほぼ見当がつくようになった。特に、ショッピングの場合、お客様の雰囲気や服装などによって、その人に合いそうな場所をご案内している。
 
今回は、近場の観光地を循環しているバス(シティーループバス)に乗ることをお薦めした。一周が約1時間であること。バスガイドが観光地の概要説明をしてくれること。1回260円で、1日フリーパスは700円であること。約15分ごと(日曜日)にバスが来ること。などを伝えると、夫人から「神戸では、ありがとうの事を おおきに と言うのですか?」と聞かれて驚いた。
 
「おおきに」は、京都・大阪ではよく使うが、神戸ではほとんど使わないことを説明して、あえて言えば、ありがとうの とう にアクセントを置きますよ。すると、微妙に真似て「あ り が う」と言って、バス停に向かわれた。きっと仲のいいご夫婦だろうと思いながら見送った。