第2話 関西弁は全国区
              
       
 私はご案内するときは、出来るだけ関西弁を使うようにしている。
道案内を始めた平成15年ごろは、関西弁が全国的に認知され始めた時期であり、私のご案内が終わると「ナマの関西弁が聞けた!」と、喜んでくれる遠来のお客様が少なからず居た。
 
ある時、年配の女性に案内していると、そばを通る小学生くらいの姉が弟に向かって「さっき言うたやろ、そんなことしたらあかんやん!」と叱っていた。 それを聞いたそのご婦人は 「わぁぁ、子供まで関西弁を使ってる!」と(当たり前のことを)驚かれた。
 
またある時は、40代と見られる男性5人組への案内が終わると、「わぁ、関西弁や、おじさんは阪神タイガース?」と来た。その青年は、関西人=タイガースファンという方程式をお持ちのようだった。
 
ご案内活動の中でこんなに喜んでもらえるなら、と関西弁でのご案内を心掛けている。
 
先日、淡路島の東浦へ行かれる年配の男性に並ぶ場所を案内し、「ここでお待ちください。バスは4番か5番に参ります。」と言った途端、「東京から来た人間に、4番か5番はないだろ!」と返ってきた。すかさず「繁忙の時期は乗り場がしよっちゅう変更するンで、私も往生してますねン」 すると「関西弁は便利だね。わかった」と言って、列の後ろに並んでくれた。
 
関西弁の効用か、ホッと一息ついた瞬間だった。