第18話 名札をもっと大切に!
 
土曜・日曜・祝日に6時間ほどご案内しているが、落とし物を見つけることがある。アクセサリーやハンカチ、スカーフ、手袋の類は多い。中には、スマートホンや財布もある。
 
学会シーズンのある時は、二日間で名札(ネームプレート)の落とし物が3件あった。
3件とも首から吊るすタイプで異なる団体だった。ロープが切れているわけでもなく、フックが外れてもいなかった。なぜ落ちるのか不思議だ。
 
まず、1件目は会社名と写真(30代男性)と名前がある身分証タイプだ。気が付いて拾ってから2時間ほど目立つようにしていたが、落とし主が現れないので交番に届けた。
 
次は、「全国〇〇学会」の入場証で名前入りのシンプルなもの。その日はホテルのシャトルバスが1台で乗り切れないほどの長い列を作っていた。もしかしてと思い、先頭の男性にその入場証を見せて、「この学会に行かれる方ですか?」と聞いてみた。そうですが‥と怪訝な顔で答えてくれた。すると、そのうしろにいた男性が、名前を見て「知ってるやつだ」と言ってくれたので、本人に渡すように依頼して一件落着。
 
3件目は、小学校の校名入り名札で、生徒の安全を守る人がよく着けているものだ。JR構内だったので、改札の駅員に届けて一見落着。
 
以上3件とも、紛失の際は始末書を書かなくてはならない大切なものだ。思うに大切だから首から吊るすようになったと思われる。なのに、なぜ落ちるのだろうか? カバンやバックを外すときに一緒に外れるのかも知れない。こんなことなら、昔からのクリップで止めるタイプの方が優れているのではないかと考えさせられる。