第5話 尋ね上手な人
               
 
駅前のご案内は、 忙しさが日によって異なるが、5組ぐらいが同時という時もある。そんな時は聞き上手な人がいるとホッとする。
 
最も時間のかかる困った人は、「私の乗るバス停はどこですか?」と言う老人で、このような人に限って行き先を尋ねると自分の降りる今まで聞いたことがない途中の駅を言われる。そんな時は、県名から絞っていくが これが途方もなく時間がかかる。JRバス系か神姫バス系かの区別がつけばそれぞれの切符売場へ誘導する。
 
現状で最もややこしいのが「7番乗り場はどこ?」と聞くお客さんだ。市バスの7系統(東と西行とがある)を7番と言う場合。シティーループバスの7番乗り場(北野異人館方面)の場合。東京、名古屋、舞鶴などの遠距離バス乗り場の場合などがあり、「どちらに行かれますか?」から始めることになる。中には「7番やないか!」と怒りだす人もいたりしてつらい場面がある。
 
「JRバスで徳島へ行きます。乗り場は何番ですか」と旅慣れた人が聞いてくると「ハイ、6番です」とスムースに流れ、しかも尋ねた人がいい人に見えてくるから不思議なものだ。
 
神戸三宮駅周辺のバス乗り場は、路線バスだけで概ね9か所もあり、路線バス以外に自動車教習所、ホテル、結婚式場、病院、大学、サウナなど種々独自のバスがある。また、変更もあり煩雑を極めている。
西日本一のバスターミナルが計画されているが、期待したい。